ヴァイオリンのレッスン記録

2008年1月、大人から始めたヴァイオリンのレッスン記録。

弓の亀裂修理と楽器調整に行ってきました。

もともと毛替えで工房を予約していたのですが、弓の亀裂修理も追加でお願いすることになりました。
朝、起きたら、こ、腰が・・・痛い。
どうやら昨夜、ヴァイオリンの練習をしなくていいぶん、ずっとゲームをやっていて、相当姿勢が悪かったようです。
ヴァイオリンを持つどころか、普通に歩けないほどひどい状態でしたが、行かないわけにはいきません。
幸い、痛みがおさまってきたので、サポーターを巻いて出かけることができました。

まず弓を見せたところ、「こりゃ重症だ」 と。かなり深く亀裂が入っています。
根本的に直すには、亀裂の入った部分から先を切り取って、別の木をつなぎ先の部分を作り直すことになるそうですが、それではお金がかかるし、場合によっては買い替えたほうが良いとのこと。
実際、そうやって修理した弓も見せてくれました。ちょっと見には分からないほど見事です。
ただ私の場合は折れていないので、接着剤で留め、割れ口が開かないように、その上を糸でしばることになりました。
割れを発見して、すぐにレッスンを止めた先生の判断は正しかった。
修理の様子をずっと見ていたのですが、いやはや・・・器用ですね。
茶色の糸でぐるぐる巻きにしたあと、また接着剤で固定、そして目立たないように弓の色にあわせて糸を塗ります。

イメージ 1

これで修理完了。他のところが折れなければ、演奏するのに支障はなく、このままずっと使うことも出来るそうです。
買い替えを覚悟していただけに、ほっとしました。あせって選んでもいいことないですから。
ただこの一本だけでは不安なので、落ち着いたら本命の弓を探すつもりです。

毛替えを終えた後は、楽器の点検。
定規を使って、弦の高さや駒の位置などを測っています。
指板がかなりすりへっていると指摘されました。
指板の丸みを見る道具をあてがうと、確かにまんなかがへこんでいます。
目の前で、指板削り、はじめて見ました。
小さなカンナで削っては測り、測っては削り。
指板の黒檀って、かつおぶしみたいに削っても、本当に黒なんですね。
あとは駒に熱を当てて矯正したり、にかわを湯煎したり、ペグや魂柱を調整したり・・・
いろいろな道具があるものだと感心しました。

途中、ヴァイオリンを修理にもってこられた方と少しお話しましたが、その方は学生のときに買った楽器を50年近く使っておられるとか。
本体の欠けているところや指板、駒など悪いところを全部直されるそうで、そんな楽器は幸せだなと思いました。
 
そして楽器調整も終了。
前回までは渡されて終わりだったのに、今回は 「確認してください」 と工房の弓も一緒に渡されました。
楽器を買い替えるぐらいだから弾けると思われたのでしょう。残念ながら、ご期待に添えそうにないんですけど。
仕方ないので弾きました。肩当てナシで、ちょっと外れた音階と 「霞か雲か」 を。
今まではえぐれていたらしい、1ポジのA線D線がとても押さえやすいです。
それと、もしかしたら場所が違うからかもしれませんが、音がえらく華やかになりました。
ただ音色とは別に、かすれた音が聞こえるような気がするのですが。。。
華やかになったぶん、愛の挨拶で求められている優しい音色を出すのが難しくなったかもしれません。

こうして弓とヴァイオリンを受け取って、工房を出たわけですが、4時間以上ずっとそばで見ていても飽きませんでした。
こころなしか時間の流れも違う気がして・・・。工房とは非日常的な異空間ですね。